そんな事を思ってると、ダミアンさんの大きな手がポンっと頭に乗っかった。



「難しいかもしれんが、その笑顔を無くさんでくれ」

「え?」

「戦地でお嬢さんのその笑顔はみんなの癒しとなるだろう」



答える代わりに笑って見せると、ダミアンさんもニカッと笑い返してくれた。


部屋を出る前にフリオンさんに謝ると、「私もキツイ言い方をしてしまってすまなかった」と言われた。思いっきり首を横に振ると笑われてしまった。


扉を閉める時、隙間から見えたジーン王子と目が合った気がした。


みんなの手当てを再開して、ひと段落ついたところで遅めの夜ご飯を頂くことにした。



「中で食べぬのか?」

「なんか、いつもよりも人を見たからかな…自然を眺めていたいの」

「そうか」



ご飯を食べている時、アウロラは一言も話す事なく側にいてくれた。食欲が湧かなくてあまり食は進まなかったけど、自由に空を飛び回るアウロラを見て癒された。


虹色の光が風に舞っているようだった。本当に美しい。