私はアウロラを抱えたまま部屋を出た。全速力で走った。


こんなに遠かったっけ!?ほぼ毎日通ってる筈なのに遠く感じるのは苦しいから?完璧運動不足!


_ドンドンドン!!


扉を叩いて返事を聞かずに扉を開けた。



「失礼します!!」

「っ!?」



ビックリした顔の薬室長と目が合った。



「ベアトリーチェ、何て格好を__」

「そんな事はどうでもいいんです!! 見てください!!」



今注目すべきは私のパジャマ姿じゃなくてこっち!アウロラを薬室長の目の前に出した。



「これは…もしかして__」

「虹花です! 誕生日にみんなに貰った虹花ですよ!!」



アウロラの鉢を渡す時触れた薬室長の手は微かに震えていた。



「なんて美しいんだ…想像以上だ……」



アウロラを見つめる薬室長の瞳はまるで恋をしている様だった。愛しい人を見つめるその瞳に私は胸にくすぐったさを感じた。



「感動のあまり朝から泣いてしまいました」

「ははっ、私もだ」



薬室長はそう言って涙で滲んだ目を軽く拭った。