ルネ王子に親近感が湧いてしまった。私もヤキモチを妬いている。ハッキリそう思うと思いのほか気持ちが楽になった。



「ベルギウス国との一件が終われば少しゆっくりできそうですか?」

「いや…どうだろうな……」



国王陛下は「ふぅー」と溜息を吐きながら、深く腰掛け背もたれに寄りかかった。


国の一番偉い方だもんね。問題はベルギウス国とのいざこざだけじゃないよね。


言えないことも沢山あるだろう。そう思うけど、私はズケズケと国の深いところまで聞ける立場ではない。話してくれることはないだろうけど、もしその機会があるのなら、気持ちが楽になる程度には役に立てればいいな。



「ここだけの話なんだが……」



まさかの展開に思わず驚いた。


話してはくれないだろうなと思っていた矢先に内緒の話!?



「ベルギウス国との一件が落ち着いたら、ジーンとグレースの婚礼の儀を行うかもしれなくてな」

「……え?」

「元々争いの絶えない国だからな、タイミングを伺ったところで見つかる訳もなく、グレースの父であるパトリスがとうとう痺れを切らしたというわけだ」

「…………」



ただただ驚いて思考回路が上手く回らない。