「指揮を取ってるのはジーン兄様だから、今回も街や国民の被害も問題ないよ。 僕はそれよりもベアトリーチェの方が心配だよ」

「え? 私ですか?」

「大きな戦争の時は王城薬師は医師達と一緒に前線へ送られる事もあるんだ。 戦争に怪我はつきものだからね」



そっか。私も直接戦争に関わることになるかもしれないんだ。愛だの恋だの言ってる暇はないかもしれない。



「ビーチェの薬はよく効くから、怪我が多い最前線の方に配属される可能性が高いかもね」



ロアナに心配そうな顔をされた。



「まだどうなるか分からないし……それに、もしそうなったとしてもやれる事をやるだけ」

「ベアトリーチェは前向きだね」

「そうですか?」



パパを喪って、周りの温もりにたくさん触れた。その温もりを失わないようにと気付けば必死で、振り返る余裕なんてなくなってた。その癖が抜けないのか、前を向いていることが普通になっていた。



「まぁ救護所は基本結界を張ってくれるから、身の危険は限りなく低いと思うけどね」

「それは良かったです。 安心して治療に専念できますね」

「私も一緒かもしれないし、その時は二人で一緒に頑張ろ!」

「そうだね!」



その後は明るい話題に切り替わり、賑やかな昼食だった。