ルネ王子は本が好きなだけあって、とても博識だ。子供とは思えない程の知識の量に驚かされる。



「ルネ王子は色んな話をして下さいます」

「そうか。 どんな話をしているんだい?」

「星のお話しや動物のお話し、体に良いとされる食べ物のお話し……いつも楽しそうにお話をして下さいます」



今までは自分よりも年上の人と接する機会の方が多かったから、ルネ王子と話していると、まるで弟ができた様な錯覚をしてしまいそうになる。ルネ王子以上に私の方が楽しんでいるかもしれない。


国王陛下と話しながらハッとした。



「す、すみません! 私ってばベラベラとお話ししてしまって!!」



国王陛下がニコニコと相槌を打ってくれるものだから、つい一人で話をしてしまっていた。



「はははっ、謝る必要はない。 もっと話してくれ」



この方はこんなにもお優しいのに、どうして息子さんたちとは上手くいっていないんだろうか?私がこう思うのは、血が繋がっていないからこその関係だからだろうか?父と母とは幼い頃に死別してしまった私は、血の繋がりがどれほどの物なのかという事をよく分かっていない。