もしも時間を取り戻せるのならおれは彼女と初めて会ったときからやり直したい。

インターホンが鳴るのを待ちわびながら、彼女を待っていたあの気持ちを取り戻したい。

純粋に彼女を好きだったこと。

好きで仕方がなくて、何度もその手を握りしめたいと思ったこと。

微笑んだその笑顔が愛おしくて何度も抱きしめたいと思ったこと。

後悔しても遅かった。

もうおれの声は、彼女に届かない。

桜の花びらが風にさらわれて飛んでいくように、彼女も散って遠くに行ってしまった。

残ったのは後悔だけ。

どうしようもない後悔だけ。