「彼」が死んだ日、「世界」が壊れた日

そういえばもう二度と会わないつもりでいた。
また会えるのは嬉しいけれど、普段なら言わないようなことを言ってしまったので、少し照れ臭い気がする。
まあそんな感傷に浸る暇もなく、いつも通りにわたしはお母さんに叱るんだろうけど。

そんないつも通りの毎日がまた始まるんだと少し嬉しく少し嫌に思う。
御崎にもらった命なのだから大切に扱おうとは思うけれど、御崎のいないわたしがまたクラスに馴染んでいけるのか不安なのだ。
昔のことが思い出されて、怖くなる。

そんなとき、強い風が吹く。
水分を含んだ服はず一瞬にして冷たくなり、そのうえ必要以上に肌に密着しているので太陽に照らされて温まった体も一瞬にして冷たくなってしまう。
高揚していた気分も、体温と一緒にぐっと下がる。

寒い。
もう夏なのに。

鳥肌が立った。


「……寒いな」


寒さに唇をかみ締めて、身震いした。