秘書室長と鉄壁女子の攻防戦



「料理、美味しいですね」

「俺、本気だけど」

そんな言葉、信じるものか。

本気だとか、好きだとか、愛してるとか、甘い言葉を散々言っておいて、最後には『都合のいい女』だとドン底に落とされたんだから。

二度と同じ轍は踏まない。

さっさと食べて帰ろう。

無言を貫いて黙々と食べる私を秘書室長はじっと見ている。

「そんなに見られると、食べづらいんですけど……」

「そうか。仕事のことなら頭が冴えるんだが、こういう時はどうしたらいいのか、さっぱりわからないな」

「はぁ……」

騙されてなるものか。

極上のイケメンがなにを言っているのか。

どこからどう見ても百戦錬磨でしょうに。

「余程のことがあったのか……」

身体がビクッとなり、箸が止まる。

「私、恋愛する気はありませんから」

秘書室長の目をしっかり見て宣言する。

こっちだって本気なんだから。