メジャーを握る手が震えるくらい距離が近くて、バラの花束を一緒に作ったときを思い出した。

あのときは倒れちゃって大変だったことを思い出すと、今でも恥ずかしくなる。

健人は、そんなのまったく気にしないそぶりでただじっとしていた。

思っていたよりも筋肉がしっかりついていて、男の子らしさを今更ながらに感じていた。

やっぱり弓道部だからなのかな。

そんな事を考えていたら、丁度腰回りを図っていたときに、バランスを崩してしまった。

『倒れる!!』そう思ったら、私の頭は大きな手に収まった。

「本当に危なっかしいんだよ...」

さりげなくそう呟いた健人のさっきまでの冷静な顔とは違って、たこ焼きのように真っ赤で。

「もしかして、照れてる?」

「てっ、照れてねぇよ」

そんなこと言いつつももっと顔が赤くなる健人のギャップに、鼓動のスピードが早くなる。

「もう、図り終わったのかよ」

「あっ...うん!」

そっちに気をとられていて、健人に寄りかかっていたことに気づく。

「なんか、ごめんね」

「本当にだよ」

よく分からないけど、面白くなって2人で笑いあった。

そのまま帰ろうと思ったら、引き留められたので、何かなと思ったら、一輪の花を私にくれた。

『ピンクのゼラニウム』

小さいけれど、しっかりしていて私もとてもお気に入りの花なんだ。

「あげるよ。困ったことあれば言えよな。
時間がある限りは話聞いてやるから」

「うん!」

るんるん気分で家に帰る途中の空には、

きれいな7色の虹がかかっていた