目を潤ませて、力強く青いバラの花束を持つ蒼に、

なんだか私も泣きそうになってきた。

「ねぇ、桜。

僕は桜と、友達以上で恋人未満じゃないといけないのかな。

このバラだって凄く嬉しいよ。

枯れちゃったって、心に一生刻まれ続けると思う。

でもその分、苦しいんだ。

こんなにも桜の事が好きで好きでたまらないのに、

桜には好きな人がいるって。

僕が桜に寄せる好きは、家族とか仲がいいから、友達としてなんかじゃなくて『本気』で、好きなんだ。

きっと僕の事をそんな風に見れないとは思うけど、

真面目に考えてほしい。

いつでも待ってるから」

そういう蒼は、真っ直ぐな瞳で私を捉えていた。

からかってるわけじゃないんだね。

嫌でも言葉の意味を理解せざるおえなかった。

蒼が私を好き?

それは、私が健人に寄せる思いと同じ?

これが私の感じた嫌な予感の正体?

ずっと前から、私に告白するって決めてたの?

もう、分かんないよ...