その日の放課後は、バイトがあったから制服のまま向かった。

そしたら駅でばったり健人にあっちゃったから、成り行きで一緒にいくことになっちゃた。

「お前なんで、朝にげたんだよ」

一番聞かれたくないこと、聞かれちゃったよ...。

この人は自分のモテ具合に気づいてないのかな。

「目付きが怖かったから」

あのかち、間違いではない。

だってあの時、本当に目が死んでたんだもん。

「あー...。ここだけの秘密にして欲しいんだけど、俺、朝めっちゃ弱いんだよ。
いまだに母親に朝起こしてもらわないと、起きれないくらい」

意外過ぎたから、お腹がいたくなるほど笑った。

「ちょ、そんな笑うなっての!恥ずかしいんだから」

耳まで真っ赤な健人は、口調とは似合わない可愛らしさでいっぱいだった。

それにも笑っちゃって。

そしたら、急に健人が私の口に手をかざしてきた。

「そんな笑うなよ。ばーか」

あのさぁ!本当にかっこいいって事、気づいてやってるくらいかっこいいよすぎるって...。

私だけこんな贅沢していいのかなって思うくらい。