キャーーーー!!!

学校について、ギリギリ遅刻を免れたと思ったら、遠くから黄色い歓声の嵐。

たくさんの女の子の目線の先には、健人がいた。

なんか見られて...る...?

なんか近づいてきた?

待って待って待って!

あんなに人気がある健人と話してるなんて噂になったら、学校にいられない...。

それを察した蒼が手を引っ張ってくれた。

「行くよ!桜!」

「うっ...うん」

昔もよく手を繋いで、遊んでたな。

でも、ずっとずっと手は大きくて、力強い。

ちゃんと蒼でも成長してるんだって、いつまでも子供じゃないんだ。