薔薇に願いを込めて

化粧し終わったと思ったら、時間はギリギリ。

それでも優しい蒼は、待ってくれてて、神様みたいだよー!

私にとって本当に蒼は、お兄ちゃんみたい。

安心できるんだよね。

「蒼!今日も待っててくれてありがとう。
じゃあ学校いこう。」

「そうだね」

寝癖なのか天パなのかわからないけど、健人のいうとおり髪の毛はくりんくりん。

そんな蒼になれてたからなにも思ってこなかったけど、まじまじみたら確かに印象にのこるかもしれない。

「桜って僕のことどう思ってるの?」

そう言われればあんまり考えてみたことなかったな。

「んー...お兄ちゃんみたいな?」

「なにそれ。嬉しくないんだけど」

「だって、事実なんだもーん。
改めていうのもなんだけど、いつだってそばにいてくれてありがとう!
本当に、大好きだよ!」

「そんなにいってくれてこっちこそ、ありがとう。
僕に対する好きと山川くんに対する好きはなにが違うの?」

「なんで私が、山川くん好きなの知ってるの?」

「だって、いっつも見てるから。結構前から気づいてたよ」

嘘!

やっぱり私って顔に出やすいタイプなのかな...。

「山川くんの好きって、顔が好きだからだよね?」

普段と少し違って威圧的な蒼。

どうしたんだろう。

「そっ...そうだよ」

「ならよかった。じゃあ急いで学校いこ!
早く学校についた方が勝ちだからねー」

「負けないよ!」

もやもやしながら、学校までつっぱしったけれど、頭のなかは健人の事でいっぱいで。

健人への好きは、よくわからない。

なんで好きなのかも。

蒼への好きは、昔からいるから好き。

安心できるから好き。

それ以上でも以下でもないんだと思う。