薔薇に願いを込めて

今まではずっと話せない、夢のような存在だった。

でももう違う。

こんなに近いところにいるんだから。

「桜」

「え?」

今、私の名前...

「これからはお前のことそうやって呼ぶから。
分かったな桜?」

私...今、頭ポンポンされてる??

え!?

しかもその顔を本当に反則。

「はっ...はい...」

「じゃあ、明日な」

「うん!」

そのあとは、健人のことばっかり考えちゃって、何も手につかなかった。

ずっと、顔がかっこいいから好きなのかなって疑問だった。

でもそうじゃなくて。

嘘じゃなくて信実で好きなんだ。