薔薇に願いを込めて

それにしても綺麗な顔立ちだなぁ

目はぱっちり二重で、でも骨格はシュットとしてて、唇はとても魅力的で、まつげが長くて...

「なに、ぼーっとしてんの?本当にお前なに考えてるかわかんねぇ」

そういいながら、健人くんは薄く笑った。

笑うところを見たのは初めてだったから、私も一緒につられて笑った。

「健人くんってかっこいいね!」

気づいたら言葉にしていた。

笑いながら言ったから、聞こえてないかな?

「唐突にそういうこといわれても困るんだけど」

こういうときはそっぽ向かないでよ!

「ねぇ?これから私、山川くんの事なんて呼べばいいの?
肩叩きにいくのもめんどくさいし...」

「そんなの健人でいいだろ」

「なっ...名前でなんて呼んだら人気者の山川くん?だったら噂になっちゃうよ」

「1回だけ、呼んでほしい」

「え?」

「早く」

「けっ...健人...」

恥ずかしい恥ずかしい!

絶対耳まで真っ赤だよ。

「んじゃ、これからそれで呼んで。
健人以外で呼んだら応答してやんねぇーからな」

意地悪だな...。

ねぇ?健人くん...あっ、いやいや。
ねぇ?健人。好きな人は誰ですか

そして、気づいていますか。
私が、健人の事を好きだってことを