花火が終わり、みんなの姿もどんどん校舎に吸い込まれていった。

余韻に浸っていたら気付けば、

私と健人と、美羽と蒼、華恋しか残っていなかった。

「なんか、あっという間だったね」

「そうだね」

準備から、本番、結果発表すべてが

風が吹き抜けたみたいに終わっていった。

この5人、みんなそう感じただろう。

「あっ!記念に写真とらない?」

「写真?」

「そう!実は、ブランドに掲載するようの写真を、

ファッションショー中にとってたんだけど、

最後に頑張った5人で、写真とろうよ!」

「自分で頑張ったって、言うんだな」

「えっ!?山川くん笑うんだね」

「なにそれ」

美羽的には、山川くんは笑わないキャラだと思ってたみたい。

でも美羽には、何度も笑ってたはず...?

「山川くん、心から笑ってなかったじゃない。

いつも作り笑いばっかりで、そこが蒼くんとの違いよね」

「私もずっと、本心で笑ってないなって思ってた。

蒼は、いつもニコニコしてて、たまに目死んでる時期もあったけど」

「なんで、僕の話になるのさー。

そんなにニコニコしてるつもりなかったんだけどな」

「いつも、桜見てるとき、ニコニコしてたよ」

「嘘っ!?」

「蒼、恥ずかしいな」

「山川くんまで、からかわないでよ!!」

「いや、内心俺もばれてたんだってビックリしてる」

「あら、山川くん恥ずかしいね」

「うるせーよ。てか、なんでずっと桜以外『山川くん』なわけ?

名前でよべよ...」

「ねぇ、健人。今から、恥ずかしいこというね。

顔、真っ赤だよ」

ぽっけに入っていた手鏡をとりだして、見せると、

更に真っ赤になっていった。

「「「「可愛いー!!」」」」

「からかうんじゃねぇ」

「さっきの仕返しだよ、健人」

不意打ちに蒼に呼ばれた、名前にずっと健人の顔の熱が引かない。

「ほら、写真とるぞ」

「「「「「写真とりまーす!!!」」」」」

どこからか現れた写真部のみんなが、

とってくれた。

あとから写真を見返すと、それはそれはお腹がいたくなる写真ばかりで、

華恋なんかは意外に笑いすぎて、倒れていた。

そのあとも空にまで届くようにたくさん笑った。

やっぱり私たちはどんな結果だろうと、

ハッピーエンドだったね。

【ありがとう】








そうして、怒濤の1日が終わった