薔薇に願いを込めて

「ほんと、健人に振り回されてばっかりだな」

「それは俺の台詞だ」

はーっと、呆れたように息をはいた

「今まで、どれだけ我慢してきたと思ってんだよ。

お前が笑うたびに胸が締め付けられて、

お前が蒼と話すたびに、胸がいたくて、

俺の思いを遠回しに伝えても気づかねぇし...。

こうやって触れたいって何回も押し殺して来たんだ。

今日くらい我慢しない」

ドッドッと音をたててるのは、

私?それとも健人?

それすらもわからないくらい、

嬉しくて、熱くて、恥ずかしくて。

ずっとこの時間が続いて欲しいと願うくらい。