急いで走ったから、息が吸えない。

でも、言わなくちゃ

「けっ...健人...。話があるの」

そういうと、健人がいつもとなにも変わらない様子で、

「俺も」と言った。

「まず、色々ありがとう」

「ざっくりだな」

ふっと笑って、私の話に耳を傾けていた。

「健人に入学式で初めてあって、

バイト先で一緒で、何かと偶然が重なって。

まだ1年たってないけど、1年間凄く楽しかった!

全部全部、健人のおかげだよ。

私には健人みたいに可愛くないし、

頭もよくないし、運動もそこそこしかできない。

でも、健人のことがす「好きだ」」

「え...」

「俺は、桜のことが好きだ。

俺はお前みたいに、みんなと仲良くなれない。

優しくすることもできない。

でも、この1年、桜と出会ってから毎日が楽しかった。

猫かぶって、化けの皮ばっかり被ってきた自分とはお別れが出来た。

全部、お前のおかげだ。

ありがとう」

【ありがとう】たったこの5文字で、

幸せになれる。

今までに、健人からありがとうと、言われたことはない。

だからその分、何倍も嬉しくて。

『頑張れ』蒼が言う

『頑張れ!私も頑張るから』美羽が言う

『頑張りなさい!』華恋が言う

『頑張れ!』私の中の私がいう

「もう1回いうから、しっかり聞いて。

私は、健人のことが好き。

だから...付き合ってください!」