先に呼ばれたのは、華恋だった。

相手は、結構イケメンと有名なバスケ部部長の子だった。

頭もよくて、とてもモテる。

でも全部告白を断ってるので、誰か心に決めた人がいると噂になっている。

「じゃあ、あとで」

「「あとで!」」

最近全然2人で、ゆっくり話す時間がなかったから、

妙に緊張する。

「今日、ありがとう。

angelkissを凄くアピールしてくれて。

桜がモデルでよかったなって思ったよ。

蒼くんを振り向かせるのは無理かもしれないけど、

当たって砕けろ精神で頑張るよ!

....あ!私の番号だ....な....」

美羽の前にいたのは、健人。

「俺と同じ番号?」

「はっ、はい」

「とりあえず、行かなきゃいけないから」

そういうと、早足で屋上へと向かっていった。

思わぬ恋が始まる?

美羽と健人が付き合う?

美羽可愛いし、優しいし、私も大好き。

でも、モヤモヤする。

気持ち悪いものが、むねのなかにへばりついてるみたいに。

「桜。なんで泣いてるの?」

いつの間にか頬を流れる涙に気づかせてくれたのは、蒼だった。

目の前に可愛いウサギのプリントされたハンカチを出してくれてやっと分かった。

「その番号...僕と一緒だね。

ここで泣いてたら、怪しまれるからとりあえず行く?
大丈夫?」

「うん、大丈夫。ありがと。」

公開告白をされた後にいざあうと、

さっきの美羽みたいに妙に緊張する。

階段をゆっくり気遣って上ってくれる蒼に

駆け足で追い付いた