「遅かったな」

「....」

「なんだよ。なんかついてるか?」

「いっ...いや...」

とにかく、かっこよすぎる。

言葉を失うほどの破壊力。

手袋をなおすその仕草さえも、絵になる。

「健人ってこんなかっこよかったっけ..」

無意識に声に出ていて、口を手で押さえてももう遅くて。

「ほ~う。俺のかっこよさを再認識したか。

...でもな、桜は人を惹き付ける魅力がある。

俺が証明してやるよ。ほら、行くぞ」

「え...!?」

手首をがっと掴まれて、私はただ健人の後を追うしかなかったけど、

耳まで真っ赤にして、いつもより早足に歩いてる。

それこそ私の顔になにかついてたのかな?