薔薇に願いを込めて

「蒼...」

いつもは見せない男らしさの蒼のペースに乗り遅れている。

どうしよう。

「...こういう風に思いきって告白してみてはいかがでしょうか?

このドレスが凄くふわふわしているのと同じで、

告白をすることには、夢がつまっています。

そんな夢をこのドレスで、叶えてみてはどうでしょう」

なんだ...そういう演出だったのか。

無駄に焦っちゃったよ。

「桜!歩くよ!」

きょとんとしながら、手を重ねるとさっき失われた暖かさが戻った。

コツコツと音をならして、昔なんかより何倍もスーツが似合うようになった蒼と一緒に歩いた。

私たちが共にあるいてきた道を1つ1つ確認するように。