薔薇に願いを込めて

「まずはあのチビとだろ?

とりあえず、全力でぶつかってきなよ。

どうせ俺と桜のペアが勝つに決まってるけどな。

俺があいつに負けるとか、なんか許せねぇし」

「いつもに加えて、毒舌だね」

「なんかよく分かんねぇんだけど、あいつが絡むとモヤモヤすんだよ。

なんか胸の奥がきゅーっと締め付けられるみたいに」

「なにそれ」

健人こそ、体調大丈夫なのかな。

胸が苦しいってだいぶ、大変だと思うんだけど...。

「はい、とりあえずその状態で落ち着くまで、歩くの大変だろ。

はい、乗って」

背中を見せて、しゃがんで手を後ろに向けた。

これは、おんぶしてくれるって事...なのかな?

逆らう理由はないので、素直に乗った。

前に一緒にバイトしていたときにも思ったけど、

健人の手は凄く安心感がある。

どこかで感じたことがあるみたいに