薔薇に願いを込めて

ふーっと大きく深呼吸をして、手に人を3回かいて飲み込んだ。

angelkissとの間で休憩時間をとっていて、

もう始まると予告した時間だったので、人がまた戻ってきた。

もう少しだな...。

「ごめんなさい！桜！」

「どうしたの？」

さっき清々しい笑顔で送り出してくれた華恋ちゃんが遠くから手をふって近づいてきた。

「これ！忘れてた」

「これ...」

受け取った物は、黒いヘッドドレス。

見覚えがある。

「そう、これ私とお揃いなの。

友達の証よ。大丈夫、私がついてると思って！」

「ありがとう！」

華恋ちゃんには本当に、一言一言に驚かされる。

髪の毛をするっとヘッドドレスに通して、身につけた。

「メイクもヘッドドレスもお揃いだし、

華恋ちゃんのブランドの服だからまるで双子みたいだね！」

「そうね。まぁ、私がお姉ちゃんかしら」

「さりげなく私の童顔をばかにしたなーっ！」

ごめんねのジャスチャーをして、舌をペロッと出した。

女子の私でもドキッとしてしまうほどに、可愛くて、嫉妬してしまうくらい、

その姿は魅力的だった。

『さぁ、bitter&chocolateのファッションショー、始まります！』

「よし...いってくる！」

「全力尽くさなかったら、私がお姉ちゃん決定だからね！」

「なにそれ」

最後の最後まで、言葉に驚かさるよ。

そんな他愛ない話で心は落ち着いた。

今ならいける、そう信じて