薔薇に願いを込めて

本番前なのに、泣きそうになっちゃうよ。

「ちょ...泣かないでよー。

頑張って準備した化粧が落ちちゃうでしょう!

大丈夫!桜は、可愛いから」

本当に、なんでそんな事言うのかな...。

止まらないよ...。

「ごっ...ごめん...。

でも、そんな事いう美羽も悪いよー!

あと、タイミングなくて言ってなかったんだけど、美羽が好きなのは、ずっと前から知ってたよ?」

「知ってたの!?」

「うん。

美羽、分かりやすいんだもん」

「嘘ぉぉぉぉぉぉぉ...。まぁ、もういいや!

でも、花火は絶対に見るって決めてるんだ。

番号合わせがなければなぁ...。

なんかあったら協力してね!

話それちゃったけど、皆桜を待っているよ。

行ってきな!」

「うん、ありがとう!行ってくる」

ヒールを履いた足で、走りだした