「ほら。」 「えっ?」 大輝は、あたしの前に後ろを向いて膝をついた。 つまり…乗れってこと…。 乗れって?! いやいや、そんな恥ずかしい! 「バカか。そんなんで、歩けるわけねーだろ。 いいから乗れ。そしてお前は傘をさせ。」 急に命令口調になった大輝に驚いて、 「はっ、はい!」 改まってそう言った。