amberdrops 1

「俺には…俺には何が残るんだよっ」





悲しみも通り越して、抜け殻のようだ


った俺は、ある日高校の見学会であの4


人と出会ったんだ。





「お前…可愛い顔してんなぁ!」



「おい天音、初対面だぞ…」



「ごめんね君。あのさ…音楽興味ない?」





後から聞くと、天音が直感で俺がいい


と言って話しかけてきたんだとか。


それで中学の部活で吹奏楽のベースを


やってた俺は、あいつらとバンドを始


めたんだ。最初なんてバラバラだし、


天音なんか楽譜すっ飛ばすし、はちゃ


めちゃだった…けど、明るくて和やか


で、すごく居心地よくって。いつの間


にか、それが大袈裟に言ったら空っぽ


だった俺の生きがいみたいな感じだっ


たんだ。