「あー!いい湯だったぁっ!!」



「キャッ!」





天音…声でかい。私は布団を引いてい


た手をビクッとすくめる。





「驚かせちまったか?わりぃわりぃ」





へらっと笑いつつ、私が持ってる布団


を代わりに敷いてくれる。


やっぱ優しいなぁ。


ふと、天音が真剣そうな顔でこっちを


見た。





「どうしたの?」



「風歌…ゆっくりでいいからな」



「へ?」



「お前トロいのに、急いで治そうとしたら悪化しちまうだろ?」



「と、トロいって…」



「だから俺らは急がねぇから。ゆっくり、自分のペースで回復したらいいんだぞ!」



「天音…」





いつもおちゃらけてるように見えて、


いつも私たちをよく見てくれてるよね


。気遣いもちゃんとして、次期社長っ


てだけでそこまで出来ないよ…


やっぱりすごいな、天音は。





「ありがとぉ」





にこっと微笑んで返すと、少し顔を赤


くして、にっと微笑み返してくれた。