「おーいっ」





風歌も目一杯手を振っている。





「もしかして、あれがバンドメンバー!?」



「ヤバいヤバい、あの金髪の人カッコいいー♡♡」



「隣の男の子めっちゃ可愛い!」



「茶髪の人イケメーン!!」





ったく、あいつらこれが狙いかよ。





「うし、風歌帰るぞ」



「うん!付き合ってくれてありがとねっ」



「おう」





俺がまたあいつを抱き上げると、悲鳴


?みたいなのが聞こえたけど…まぁい


っかな。





「今日は楽しかったなぁ〜!」



「ははっ、まだ1日は終わってねーよ」



「あ、そっか!何時までいてくれるの?」



「今日は泊まる」



「へ!?」





泊まるために天音の家に行って色々準


備してたんだ。俺は1人暮らしだし、天


音も両親忙しいし、響太と天音もOKも


らったみたいだから。





「なんで!」



「なんでって、お前明日手術で心配だし…あと、俺ら3連休で暇だから」



「そ、そんなの申し訳ないよ…!」





ったく、こいつ変なとこ意地張るな。





「大丈夫だから、心配すんな」



「分かった…ありがと!」





よし、行こう。


見に来てくれた人にお礼を言い、ドア


へ向かって歩く。
















夢が増え、好きな人と笑い合えたちょ


っと幸せな午後。


きっと帰ったらあいつらに奢らせられ


るな…と考えながら、俺は愛おしいあ


いつが乗る車椅子を押し進めた。