「律…すごいね!」



「あぁ」



「早く歌いたいなぁ」



「お前なら一瞬で治るよ」





にっと微笑みかけると風歌は少し頰を


赤らめて頷く。2人で笑い合っていると


、俺のスマホが鳴った。





「もしもし」



[律ー!お前ら抜け駆けすんなよっ!!]





どうやらかけてきたのは天音らしい。


ガヤガヤと弦と響太の声が聞こえるの


で、きっと3人でいるんだろう。





「抜け駆け?」



[2人で仲良く3階行っただけでも十分裏切りだけど、息ピッタリで歌っちゃってさーっ]



「は…?」



[それにお前らだけ注目浴びてー!]



「誰と電話してるのーっ?」





あいつらそんな事で怒ってんのか。な


んかちょっと面白い。


俺は風歌にスマホを渡してやる。





[天音、代わってー
もしもし、ふーちゃん?]



「あ、ゆーくん!」



[上見て、4階のとこ]



「なんて?」



「上見て、だって」





言われた通り上を見上げると、手を振


ってる天音とスマホを持って話してる


弦。響太は…あ、弦に隠れて見えなか


ったけど手振ってる。


あいつはそんなつもりないだろうけど


、こっちからすると手を振る響太はす


げー可愛い。