amberdrops 1

「よっと…」





俺は風歌をお姫様抱っこして車椅子に


乗せてやる。


なんか前倒れた時もこれで運んだし、


もう慣れたな。





「ねぇ、律ってさ…」





車椅子に下ろすと、ふいに風歌が口を


開いた。


当然上目遣いになるし、こちらをじっ


と見てる訳で。


ちょっとヤバいな…


俺は必死に理性を保つ。





「なんだ」



「こーゆー事…慣れてる?」



「は!?」





な、慣れてるって事は…俺は結構遊ん


でるように見えてるって意味か!った


く、弦でもあるまいし。





「いーや、むしろ慣れてねぇよ」



「えっ!すごいスムーズに乗せてくれるし、私をすぐ抱っこしてくれたし」





それはお前だからだよ…なんて言える


はずもなく。





「何人と付き合った事あるの?」



「2人ぐらい。両方中2で付き合ったけど、気持ちはなかった」



「律って女の子にあんま興味なさそうだもんね」



「お前は?」





こいつのことだから、今まで告られて


もふってきたのか…?