双葉が行っちゃったから暇だーっ!


下にいって他の子といてもいいけど、


屋上から離れたくないしなぁ…





「あ!そうだ!」





こういう時は音楽だよね。


さっそく私はギターを取り出し、首に


つけているヘッドホンを耳に装着して


準備をする。





「よし…」





すぅっ、と息を吸って目を瞑る。


風が私の髪をふわりと揺らした。


神様…せめて、せめて歌ってる間くら


い、あの事を忘れてもいいよね。



この声が空に、空のもっと向こうに


届きますように。


私は精一杯声を響かせた。