amberdrops 1

「おう」



「うわぁ、めっちゃ美味しいー!」



「よかったな」





あぁ、どうして俺は弦みたいにさらっ


とカッコいい台詞が言えないんだ…


もしかしてあれか、あのー…好きな子


には意地悪しちゃうとか、話せなくな


るとか。って、俺はガキかよっ!





「律?」



「あ、あぁ、何でもない」





プリンもう食い終わってるし。





「ねぇ、今から3階行かない?あの、外に出られるとこ!」



「桜の木とかいっぱいある公園みたいなとこか?」



「そう、そこで私歌ってるんだ!」





そりゃいいな!


この病院の3階には、病室のある廊下の


奥に、テラスのようなところがある。


テラスといってもすごい広くて、お年


寄りや入院してる子供などが息抜きで


集まる公園のような場所だ。





「あ、ギターケースいるな」



「ありがと!」





風歌は今結構貧血がひどく、黄疸?と


かいうやつも出てるから、歩くのも辛


いらしい。だからテラスまでは車椅子


で行く。