amberdrops 1

「脾臓を摘出したからと言って、貧血が治るわけじゃないし、あなたは他にも体に問題がありますし」



「でもっ…!」



「風歌!!!」





うわっ、びっくりしたぁ!


天音がいきなり叫ぶから…





「まずはお前の体調が大大大優先だっ!路上ライブなんからいつでも出来るだろ!」





そう、私たちは5月には力を試すために


、駅前で路上ライブをするつもりだっ


たんだ。





「でもっ…」



「それにまだ曲完成してねーし、まだ5曲ぐらい作りたいから、全然大丈夫だ!」



「私迷惑なんじゃ…」





私がそう言った瞬間、天音が怒ったよ


うな、辛そうな表情になる。





「んな訳ねぇだろっ!このバンドにはお前が必要なんだ…!そんなこと2度と言うんじゃねーぞっ!!」





そっか。私、久しぶりに必要って言っ


て貰えた…お父さん、お兄ちゃん、や


っと私の居場所見つかったよ。


男しかいないし、個性的なやつらばっ


かりだけどみんなすごく優しくて。


明日も明後日も、ずっとこの人たちと


音を奏でていたい、って思うんだ。