「んな訳ないでしょ!!あいつらのあの目は、完全に愛おしい女を見てる目だった!」





ダメだこいつ。今の双葉にはきっと何


を言っても通じないだろう。





「もぅ、分かったよー!双葉のご想像にお任せ致します」





変な笑いを浮かべてる双葉。


何考えてんだかねぇ…





「あ、そうだ!!ごめん、私朝練抜けてきてるの!また後でじっくり話聞かせてね!お大事にーっ」





たったったと爽快なリズムで保健室を


出て行った双葉。はぁー、なんか色々


ありすぎて、病気の事なんか忘れちゃ


ってたよ。





「あの女テンション高けぇなー」



「風歌?入るぞっ」





あ、戻ってきた。ずっと待っててくれ


たのかなぁ。





「なぁ、ふーちゃん」





ゆーくんが真剣な面持ちで話し始める


。あとの3人も、さっきの表情とは打っ


て変わって、真面目な顔だ。





「ん?」



「病院、行こう」





もう、こんなに倒れてるんだもん。行


かないとダメだよね。





「うん…分かった」





神様。お願い…勉強出来なくなっても


いい、美味しいものだって我慢するし


、1日に何回も倒れそうになったって耐


えるから…あいつらと歌わせて。





外の桜の木は、寂しげにもう花が散っ


た枝をゆらゆらと揺らしていた。