amberdrops 1

「風歌…起きたか?」



「…うん、ごめんね。運んでもらっちゃって」



「あぁ大丈夫だ。それより体調は?」



「だいぶマシだよ!スッキリしてる」





そう言った私を、律がぎゅっと抱きし


めた。驚いて固まるけど…嫌じゃない


んだ。






「よかったっ…」



「り、律?私は元気だから大丈夫!」



「バカ、大丈夫なわけないだろ」





腕の力を緩めようとしない。律もきっ


と、私を心配して気を張っててくれた


んだろうな。


私は律の背中に手を回した。





「ねぇ、律…私っ、病気だったらどうしよう…みんなと歌えなくなるのかなぁっ」





何かがプツンと切れて、私は泣きなが


ら律に今の気持ちをぶつける。ごめん


ね、口下手なのに困るよね。





「絶対お前なら大丈夫。それに、俺らはどんな事があってもお前と歌う」





頭を優しく撫でてくれる。私も安心し


て、涙も止まった。





「ありがとう、律」