「風歌、今日体調悪い?」



「うん…ちょっとね」





そう。私はよく…というか本当に頻繁


に貧血を起こしちゃう。あと喘息持ち


でスポーツはあんまりさせて貰えない


し、歌ってる時もたまに苦しくなるん


だ。


口数が少ない律が何度も聞くんだから


、よっぽどなんだろうな….





「心配かけてごめん」



「謝らなくていい。でも、いつもより顔色悪い気がする」





やっぱ律はすごいね。ファンデで隠し


たつもりだったんだけどなぁ。





「バレちゃったか」





ちろっと舌を出して笑う私に、あいつ


がデコピン。いったいなぁーっ!





「バカ。風歌はいつもそうやって体調崩すんだろ」





もう、こいつどこまでお人好しなんだ


よ。校門の前で笑い合う私たちにみん


な好奇の目を寄せてる。





「へへ、優しいね律は。ありがとぉ」





あれ、おかしいな。呂律が回らない。


律がぐにゃりと曲がって…私の意識は


途切れた。