「あ、そーだ。風歌の親御さんは大丈夫なのか?」



「俺も思った。今日は仕事なの?」





そのことか…言われると思ってた。





「私の両親とお兄ちゃん、亡くなってるんだ」





私が言うと、みんな驚いてる。


それから2人はバツが悪そうな顔になっ


た。





「ほんっとに悪い!嫌なこと聞いちま
ったな…」



「ごめん、そーだと思ってなくて…」





うん、誰もわざとじゃないし、それを


悪く言ってる訳じゃないもんね。





「んーん、大丈夫!それに私、みんながいるから全然寂しくないもん」





笑って言うと、みんなが優しく微笑ん


でくれた。





「強いな、お前は」





サルがぽんぽんと頭を撫でる。優しさ


が嬉しくって、ちょっとうるっときち


ゃった。





「ありがとう」





そう、私は強いんだ。


あんな事から逃げちゃいけない。