ーーーーー6年前ーーーーー





俺はじぃちゃんがやってる、有名なレ


コーディングスタジオに来ていた。





「弦。シンガーや、バンドのボーカルとして売れる歌声って、どんな声だと思う?」



「んー、綺麗な声?」



「おぉおぉ、さっすが弦!それも大切な事だ。でもな、まだあるんだ」



「分かんないよーっ!何なの、じぃちゃん!教えてよーっ」





ジタバタとしてお願いする俺に、じぃ


ちゃんはふっと笑って頭を撫でた。





「それはな……綺麗な声なんだけど、心にずしっと重みがくるような声だ」



「心に、重み…?」



「あぁ。それともう1つは、最後に歌い終わった時に、儚いかどうかだ」



「儚い??」



「もう2度とないかもしれない、1度きりかもしれない、って歌声だ」