「…ぷっ、はははっ!ありがと」



「へ?」



「元気出たよ…風歌」





笑って言うと、あいつも優しく微笑み


返してくれた。





「負けんなよ、サル」



「おう、お前もな」





またにっと笑い合う。


あぁ、やっぱ俺…こいつが好きだ。


風歌と話してると笑顔になれるし、あ


いつも辛いはずなのに俺に親身に寄り


添ってくれるし、一生懸命だし…


ライバルがあいつらでも、絶対渡さね


ぇ!


んで、いつかきっとこいつの過去も聞


いて守ってやるんだ…!!


俺はぎゅっと握った拳に力を込めた。












「うわぁ、綺麗…」





まるで見守るように光っている月と、


少し明るくなってきたオレンジ色の空。


いつの間にか涙の跡は消え、新しい朝


の始まりを告げる風が吹いた。