「んで…今、小さい頃に家族でお月見したの思い出して、ちょっと泣いちまったんだ」





さすがに引いたかな…とおずおずとチ


ビを見ると、あいつまでボロボロ泣い


てる。





「え、あ、ちょっ…」



「響太ぁぁーー」





泣き叫びながら(叫ぶ!?)飛びついて


きたチビを俺はしっかり抱きとめる。





「辛かったねぇっ…もう聞くだけで辛いよぉぉ」





泣きすぎだろ…


でも、俺のために泣いてくれたことが


嬉しくて、自然と頰が緩む。





「ありがとな、チビ。まぁちょっと昔のこと思い出しただけだから」



「んーっ、なんか腹立ってきた!お父さん自分の息子ぐらい助けてやりなさいよっ!!」





あいつはガタッと立ち上がった。


今度は怒んのかよ。ったく…


表情がコロコロ変わるあいつに俺の笑


みが増す。