「ほら、学校遅れるよ?」
「はーい」
静月ちゃんと歩き始める。
残念だけど、センとは高校が違う。
歩きながら、後ろ手で、センに手を振る。
どこかから見てるかな。
高校に行って、センがモテはしない(失礼)けど、私みたいな物好きというか、センの魅力に気づく人がいる可能性はないことはない。
センの魅力は、分かりにくい。
まるで、迷路のよう。
だから、はまったら抜け出せない。
どこが好きかなんて、分からない。
全部好きになってしまう。
今、私とセンのつながりは、イタズラだけだ。
それが、もしなくなった時は、この関係はもう終わってしまうのだろう。
怖いな。
「いや、にやにやしたり、落ち込んだりしてる、あんたの方が怖いよ」
静月ちゃんは、優しい子です。
こんな、不気味な私と友達でいてくれるなんて。
だれか、静月ちゃんをとても大切にしてくれるいい男はいませんかー。
「おおきなお世話だよ!」
べしっ。
カバンで、顔をどつかれた。
わざとかどうかは謎だけど、金具っていたいね。



