「ふぎゅ」
ぶざまな声をあげてコケたけど、すばやく起きあがり、周りを確認する。
今、確かにくすくすと笑い声が聞こえた気がしたが、隠れたのか、逃げたのか、センの姿はなかった。
最近、センは姿を見せずにイタズラするブームが来たようで、まったく会えてない。
少し寂しい。
でも、これは、チャンスと考えている。
私の作戦はこうだ。
イタズラにひっかかった私をセンはどこかから見ているはずだ。
それを、ただちに見つけてつかまえる。
しかし、実際は
つかまえるという大義名分を傘にした、ただのハグをする作戦。
これならば、合法的で自然にセンに抱きつくことができる!
「抱きつくことができる じゃないよ」
静月【しづき】ちゃんに突っ込まれて気づく。
「え、声に出てた!?」
「もろ」
うひゃー、超恥ずかしい。



