「忘れてた。 静月ちゃん、先に帰るって言ってたわ」


とりあえず、宣言しておく。

静月ちゃんが勝手に帰ったみたいになったら、いやなので。


「ではでは!」

司先輩が何か言おうとしているのは、分かっていたけど、

たぶん、橘のことだ。

今は、聞きたくない。


私は、すばやく反対を向いて、

すさささっ、と図書室を後にした。