彼女と一秒でも長く一緒にいたいから、僕は全て神様に納めました

「お金、ほかしているようなもんだよ。どんなに君が神社にお金を納めようと、彼女の心は変わることはないよ」

「それでもいいんだよ」

僕は、静かにそう言った。

今、彼女と別れてしまったら、この先、こんなにも人を愛することは僕の人生でもうないと思うから。だからーーーー1日一万円神社に納めるだけで彼女の転校を引き伸ばせるのなら、僕はお金を納めると決めていた。

「決まっている彼女との別れを、お金を使って遅らせているだけだよ。彼女のことが好きなら、悲しい感情はいつか迎えることになる」

女神様は、深いため息をひとつこぼした。

女神様が口にした言葉を耳にした僕は、つぼみと別れるときの姿が脳裏に自然と浮かび上がった。

「それでも‥‥‥いいんだよ」

そう言った僕だが、なんだかはぎれが悪かった。

つぼみと別れることを想像すると、波のような悲しみがぐっと押し寄せた。秋のせいなのか、周囲から聞こえる鈴虫の鳴き声が悲しく聞こえる。