彼女と一秒でも長く一緒にいたいから、僕は全て神様に納めました

ーーーーーーつぼみの願いを叶えてあげているのは、僕なんだよ。僕の貯金が底を尽きると、願いはもう叶えられなくなるんだよ。その優しさは、願いを叶えている僕だけにしてよ。

告白にも近い、心の中の僕の想いは彼女には届くはずもなかった。

「なんで、ケガしたの？」

「え！」

つぼみにケガをした理由を問われ、尊人は呆けた声を口から漏らした。

「唇が切れてるんだから、私がいない間に誰かに殴られたんだよね」

「それは‥‥‥‥」

そう言いよどみながら、尊人が僕に視線を向けた。その瞬間、つぼみも僕の方に視線を向けた。

「‥‥‥‥‥殴ったの？」

「え？」

「神宮君が、尊人を殴ったの？」

興奮していたせいか、つぼみが高い声で僕に訊ねた。

つぼみも尊人のことをファーストネームで呼んでいたことに、僕はハンマーで思いっきり叩かれたような気分になった。