彼女と一秒でも長く一緒にいたいから、僕は全て神様に納めました

「一番大切な物を失う‥‥‥‥‥」

「そう」

女神様が、短く言った。

僕は一番大切な物を頭の中で数秒間考えた結果、思いついたのはつぼみだった。しかし、彼女を失うことは僕にはできなかった。

「じゃあ、広瀬ともう少しだけ一緒にいたい」

僕は、両手を合わせて願いを口にした。

彼女とは、いつかは別れないといけないかもしれない。でも、もう少しだけ一緒にいたい。

「その願いなら、叶えてあげてもいいぞ」

僕の願いを聞いて、女神様は承諾した。

「ほんとうか?」

「しかし、彼女の転校を引き伸ばせるのは、一日だけだ」

「たった、一日だけ!」

僕は目を丸くして、驚いた。

彼女と一日だけ会える時間が長くなっても、辛くなるだけだ。