彼女と一秒でも長く一緒にいたいから、僕は全て神様に納めました




僕が家に帰ったのは、午後五時二十五分だった。家に帰っても母親はまだ帰っておらず、消えていたリビングの電気をつけて僕はコンビニで買ってきたべんとうを電子レンジに温めていた。

「明日から、広瀬と会えないのかな?」

そう呟いて、僕は窓ガラスの外に視線を移した。窓ガラスの外には箱庭があり、雑草が大きく伸びていた。

「はぁ」

僕は深いため息をついて、サイフの中身を確認した。

サイフの中身は一万円札一枚と、小銭が入っていた。

「ちょっとお金下ろしてから、神社に行って神様にお願いしよう」

ため息混じりに言って、僕はタンスから通帳とカードを取り出した。

通帳の最後のページを開いて見ると、今まで貯めた僕の貯金額、『百万円』が目に映った。

高校生でこの金額を手にすると、お金の欲がなくなってしまう。

僕はカバンの中に通帳を入れて、サイフの中にカードを入れて家を出た。