彼女と一秒でも長く一緒にいたいから、僕は全て神様に納めました

「もしも、私の願いが神様に届かなかったら、私たちこのまま別れることになるんだね」

そう言ったつぼみの声は、さびしそうだった。

「‥‥‥‥‥」

彼女のさびしそうな声を聞いて、僕はすがるような目で窓の外に視線を移した。

午前中青空が広がっていたが、今はどんよりとした重たい雲が空を覆い尽くしていた。

「ねえ、神宮。今日、一緒に帰らない?」

「え!」

視線を戻すと、彼女の顔が僕の瞳に映った。

「ねえ、神宮」

わずかに細い首を傾けて、つぼみは笑顔で言った。

「いいけど‥‥‥‥」

かすかに頬を赤くして、僕は小さな声で言った。


午後四時三十五分、学校の授業が終了し、僕とつぼみは自転車を押しながら自分の家へと向かっていた。

「ねえ、神宮君。私のこと、怒ってる?」

学校を出て少し歩いたところで、つぼみが不安そうな声で僕に訊いた。

「え!」

僕はそこで立ち止まって、目を丸くして驚いた。