彼女と一秒でも長く一緒にいたいから、僕は全て神様に納めました

「まぁ、おいしいよ」

僕はカレーパンを食べながら、こもった声で言った。

スパイスの効いたカレーの香辛料が僕の口の中に広がり、サクサクとしたパンの外側の食感と中身のカレーのとろみがほどよくマッチしていておいしい。

「野菜は、高校生になっても食べないんだね」

つぼみが僕の机に並んでいる、昼食を見て呆れた声で言った。

つぼみとは幼稚園からの付き合いだったせいか、僕が野菜を食べないことを彼女も知っていた。

「うん、おいしくないから」

あっさり言って、僕はカレーパンをもう一口食べた。

「野菜も、体にいいんだよ」

今朝、母親に言われたことを、つぼみは僕にまったく一緒のことを言った。

「え!」

その言葉を耳にして、思わず僕は驚きの声が口から無意識に出た。

僕を見つめている彼女の瞳はうるんでおり、なんだか空気が気まずく感じた。