彼女と一秒でも長く一緒にいたいから、僕は全て神様に納めました

午後十二時五分、僕は学校の購買で友人の尊人と一緒にパンとジュースを買っていた。

「なぁ、尊人。広瀬が転校すること、お前知ってたか?」

「知ってるわけないだろ。俺も、お前と同じで朝礼で知ったんだ」

尊人はサイフから千円札を取り出して、購買の五十代ぐらいのおばさんに手渡しながら言った。

購買のおばさんからお釣りをもらって、尊人は惣菜パンとサンドイッチを手に取った。

「だよな」

そう言って僕も、サイフから千円札を取り出して購買のおばさんに手渡した。

たくさん入っていた黄色のプラスチックパンケースの中から、僕はカレーパンとヤキソバパンとジュースを手に取った。

「な、尊人」

「なんだ?」

「今日、帰りにもう一度神社に寄って帰らないか?」

僕は、人差し指を立てて言った。

「はぁ、なんで?今朝、行ったじゃん」

眉を吊り上げて、尊人は強い口調で言った。

「そうだけどよぉ、なんかやっぱり僕も神社に祈ることがあってよ」

僕は、視線を左斜め上に向けて言った。